実は勘ちがいかも 「自分は〇〇だ」

こんにちは、ライフコーチのSayaです。

最近、妙にモヤモヤしていることがありました。
それは、私が長年「自分は環境の変化に弱い、慣れるのに時間がかかる、安定を好む」と思っていたことです。
それが自分の性質、価値観であると、ずっと思ってきました。

けれど私は、18年間公務員として働き、退職し、フリーランスのライフコーチになりました。

安定を本当に好み、自分の中で優先順位が高いのであれば、公務員として働き続けていた方が良くはないでしょうか。
業務内容が嫌で嫌で仕方ないわけでもなかったし、人間関係も問題ありませんでしたし。
でも数年悩んだ末、最終的にやめることを決断しました。

「安定を好んでいた私が、一体どういうことだ?」とモヤモヤしていました。

そしてたどり着いたのは、私は長らく勘ちがいしていたんじゃないか、ということでした。

人は、自分のことについて、けっこう勘ちがいしていることが多いのではないでしょうか。

たった一つの小さな経験から導き出された価値観

私が「自分は環境の変化に弱い、慣れるのに時間がかかる、安定を好む」と感じるようになったのは、社会人になってからです。
はっきりしたことは覚えていませんが、公務員時代、自分が好きな職場にいたときから感じるようになったような気がしています。

けれど、今、冷静に自分のことを振り返ってみると、「変化に弱い」という事実があまりにも少ないんですよね。

それまでに、環境の変化はたくさん経験しています。

小学校の転校4回
中学校、高校、大学へ入学
就職
就職して最初の職場から、次の職場へ異動

その中で苦労したのは、新卒で就職したときくらいです。
ひどい寝汗や口渇感を感じていた時期がありました。

といっても、何ヶ月も続いたわけではありません。
せいぜい、1ヶ月程度だったんじゃないかな。
気がついたら治っていました。

20代後半~30代前半で「自分は変化に弱くて安定を好む」と思うようになるまで、数々の環境の変化を経験しました。
その中で、変化に弱いと言えそうな経験は、たったの一つ

確かにつらかったと言えばつらかったけど、その経験から「変化に弱くて安定を好む」」という価値観を見出すのは、ちょっと強引だな、とも思います。

自分の目的をかなえるための勘ちがい

そして気がついたのが、「自分は変化に弱くて安定を好む」と考えることが、当時(その価値観をつくったとき)の自分にとって、都合が良かったということです。

安心感を与えてくれた勘ちがい

安定を好むと考えるようになったのは、おそらく、好きな職場にいるときでした。
その職場にいる間は、できることなら、ずっと異動したくないと思っていました。

異動したくない私にとって、「自分は変化に弱くて安定を好む」と考えることは、都合が良かったのだと思います。

公務員は、基本的には定期的に異動しなければなりません。
でも自分は異動したくない。

だから、異動しない理由として、「その職場の業務が好き」以外の理由を自分の中に作りたかった。
理由を複数もっておくことで、安心したかったのかもしれません。

その結果、たった一度だけ環境の変化に苦労した経験を持ち出してきて、「自分は変化に弱い」「安定を好む」と感じるようになったのかな、と。

この考え方は、アドラー心理学の「目的論」というものです。

私には「異動したくない」という目的があって、その目的のためにちょうどいい経験を見つけ出してきて、「安定を好む」という価値観を作り出したということになります。

やっかいなのは、状況が変わったとき

その価値観は、自分に都合のいい思い込みにすぎず、勘ちがいです。
でも、いったん作ってしまうと、それは自分の中に根付いて、本当に自分は安定志向だと信じて疑わなくなります。

その勘ちがいが、自分にとってうまく働いている間は問題ありません。
けれど状況が変わり、その勘ちがいが必要なくなっても、それまでの習慣でなかなか手放せないことがほとんどです。
そうすると、自分が自分のために作り出した勘ちがいで、自分を苦しめることになります。

どんなに異動したくなくても、異動しなければならないときはきます。
私が好きな職場を異動するとき、「自分は変化に弱くて安定を好む」という勘ちがいのせいで、「ああ、嫌だな、環境の変化は苦手だよ、業務内容もぜんぜんちがうし、また苦労するのかな」などと心配しました。
そしてその心配は的中して、異動後は新人時代に匹敵するくらい、しばらく緊張していました。

新しい職場にいるとき動悸がおさまらなかった・・・

緊張がとけなかった理由をあげればいろいろありますが、自分で自分を必要以上に緊張させていた、というのが一番の理由なんじゃないか、と今では思います。

好きな職場から異動したくないという目的のため、安心材料として作り上げた「自分は変化に弱くて安定を好む」という価値観は、異動後は不要です。
むしろ、邪魔になります。

けれどそんなに器用に手放せないんですよ。
だって、長年、連れそってきた価値観で、それこそが自分だと信じているから。

勘ちがいをなくすためにできること

では、勘ちがいをなくすためにできることは何でしょうか。

例外を探す

これは、記事の前半でやりました。

今までを振り返ってみて、環境変化があったときの自分を思い出してみると、「環境の変化に弱い」と感じられる経験は、たった一つ。
それ以外は、特に記憶に残っていません。
ということは、ほとんどの環境変化で、特別なことは何も起きなかったということでしょう。

つまり、例外だらけということです。

もしあなたに何か手放したいと思っている思いがあるのならば、冷静になって、例外を探してみてください。

人前に出て話すのが苦手、という思いがあるのならば、人前に出て無難にこなせた経験
集中力がない、という思いがあるのならば、このときは少し集中できたな、と感じられた経験
人付き合いが苦手、という思いがあるのならば、人と話すのが苦ではなかった経験

などなど

私のように、意外と例外だらけ、ということも多いです。

信頼できる人に話してみる、聞いてみる

なかなか例外が思い浮かばない、という場合は、信頼する相手に話したり、その人の話を聞いてみてはいかがでしょうか。

人は、自分とは全くちがう視点をもっていることがあります。
相手と自分が、全くちがう見方をしていて驚いたことがある人もいるのではないでしょうか。

人に自分の悩みを話したり、相手の話を聞いているうちに、自分を客観視できて整理できたり、ちがう視点に気がつくことができるかもしれません。

あなたが安心して話せて、真剣に聞いてくれる人
冷静に質問をしてくれる人
そういう人がいれば、ぜひ話してみてください。

まとめ

今回は、私が長らく「自分は環境の変化に弱い、安定を好む」と思っていたことを例に、人は自分の目的に合うような経験を引っ張ってきて、それを根拠に自分の都合のいいように勘ちがいをすることがある、ということをお伝えしました。

勘ちがいは自分に根付いていき、思い込みが深く、自分にとっての真実となっていきます。
それが自分に良い影響を与えている間はいいですが、そうでなくなったとき、なかなか手放せず、苦しむこともあります。

でも、実は

  • 根拠だと思っていた出来事は、長い人生の中のほんの一部の小さな経験に過ぎない
  • 根拠となった経験以外に、思い込みとは食い違う経験がたくさんある

ということは、よくあることです。

不都合になった勘ちがいは、潔くサクッと手放したいものですね。

サポートが必要であれば、ぜひコーチングをお試しくださいね。

これも、勘ちがいでした。


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