こうして思い込みはつくられる 「グレムリンは怖い!」から学ぶ

こんにちは、ライフコーチのSayaです。

突然ですが、みなさんは「グレムリン」という映画をご存知ですか?

得体の知れない生き物が出てくるスティーブン・スピルバーグ脚本の作品で、クリスマスシーズンによく放送されます。

私はこの映画、つい最近まで本格的なホラー作品だと思っていました。
とにかく怖いと思っていて、大人になってからも見ようとしませんでした。

でも、見たことがある人なら分かると思いますが、これ、大して怖い映画じゃないんです。
むしろ、けっこう笑える作品となっています。

それなのに私は35年以上も怖いと思い込んでいました。

映画に限らず、人は思い込みを簡単につくってしまいます。

今回は、思い込みがどうやって作られるのか、「グレムリン」を例に、分析してみます。

インパクト大の衝撃が思い込みに

「グレムリン」を私が初めて見たのは、小学校1年生のときだったと思います。
当時は父親の仕事の関係でアメリカに住んでいて、おそらくクリスマスシーズンにテレビで放送されたのでしょう。

小学校1年生の私にとって、悪さをするグレムリンは、怖くてたまらないものでした。

今考えれば、グレムリンのやっていることは度が過ぎたイタズラ程度のことで、そんなに怖がることもありません。
しかもコミカルなシーンも多々あって、今見るとかなり笑えます。
それに、かわいらしいギズモだって出てきます。

実際、映画のジャンルを調べてみると「ブラックコメディー」とか「ホラー/コメディー」と出てきます。
でも、そんなコメディー要素は私の中にはみじんも残っていませんでした。
ただただ「グレムリン」は怖い映画で、「チャッキー」(チャイルド・プレイ)とか「エイリアン」と同類、同等のホラーだと思っていました。

チャッキーとエイリアンはコメディー要素がない、純粋なホラー

なぜ、私が「グレムリン」に強烈な恐怖を感じたのか、その理由を考えてみました。

そして気がついたのは、「見た目のインパクト」です。
グレムリンは、目が邪悪そうだし、牙があるし、爪はとがっているし、血は緑だし、体はとげとげで粘液でベトベトしてそう。
私がそのような「見た目がおどろおどろしい怖い生き物」を見るのは、「グレムリン」が初めてだったのではないかな。
初めてだから、おそらくインパクトが相当強かったのではないかと思います。

何かインパクトの強いことがあると、人は思い込みを作ることがあります。

思い込みの強化と定着

一度つくられた思い込みは、自分特有の「めがね」となります。

「グレムリン」を見た小学1年生の私は、その見た目で、「グレムリンは怖いにちがいない」という思い込みを作りました。

「怖い」という「めがね」を通して見ているから、グレムリンのイタズラが私の頭の中では「殺人」となり、多くの人を殺したかのような印象となりました。(実際はほとんど人を殺してない)

「怖い」という「めがね」を通して見ているから、コメディー要素は排除されました(小学1年生の私には理解できなかっただけかもしれないけど)。

「怖い」という「めがね」を通して見ているから、ギズモのかわいさは、かき消されました。

こうして、「グレムリンは怖い」という思い込みに合致する情報だけを選んでインプットして、ときに情報を都合よく改竄して(無意識)、その思い込みを強化し、正当化しました。

「グレムリン」は怖いという思い込みを作って強化して定着させることを、当時の私は、映画を見ている2時間弱の間にやりました。

けれど、自分に関する思い込みは、長い年月をかけて強化され、定着していきます。

たとえば何かの出来事をきっかけに「自分はひとりぼっちだ」という思い込みを形成したとします。
そして、「自分はひとりぼっちだ」と思っていることが、役に立ったとします。「自分はひとりぼっちだ」と思っていると、「人に助けてもらえる」とか。

自分の役に立っていることがわかると、その後のさまざまな経験を通して、「自分はひとりぼっちだ」を強化し、正当化し、定着させていきます。

と同時に、「自分はひとりぼっちだ」という思いはどんどん意識の奥の方へと追いやられ、自分でもそんなこと思っていることに気が付かなくなっていきます。

思い込みのもたらす弊害

「グレムリン」をずっと怖い映画だと思い込むことは、生きていく上でそんなに大きな問題にはならないかもしれません。

映画の面白さやグレムリンのチャーミングさ(?)が分からない、という問題はある

けれど、思い込みの内容によっては、大きな問題になります。

たとえば、先ほど例にあげた「自分はひとりぼっちだ」という思い込みをずっと心の奥底にもっていたとしたら・・・
知らず知らずのうちに、「ひとりぼっち」という思い込みと合う行動をとります。

したがって、心を許せる友だちができなかったり、パートナーができなかったりします。

もし、「心を許せる友だちがほしい」「将来を共に過ごすパートナーがほしい」と望んでいるのだとしたら、これは大きな問題です。
「自分はひとりぼっちだ」という思い込みによって、望みがかなえられないので。

確かに、「自分はひとりぼっちだ」という思い込みが役に立っていた時代もあったのでしょう。
けれど、子どもの頃につくった思い込みが大人になると弊害になる、ということはよくあることです。

ただ、なかなか自分に根付いた思い込みを手放すことはできません。
そもそも、「自分はひとりぼっちだ」と思い込んでいるなんて思いもよらないので、どうしていいかわからない、という事態におちいってしまいます。

まとめ まずは思い込みを知るところから 

今回は、長らく私が「『グレムリン』は怖い」と思っていたことを例にして、思い込みが作られ、強化され、定着する過程についてお伝えしました。

自分にどのような思い込みがあるかは、無意識なので、わかりません。
特に重大な思い込みほど、なかなか表に顔を出しません。
そのくせ、自分の言動に与える影響はとても大きいんですよね。

もし、いつも同じようなところでつまずくというようなことがあるのなら、きっと重大な思い込みがあるのだと言えます。

その思い込みを知ることができれば、どう対処するのか考え、選ぶことができます。

でも、どんな思い込みがあるのか知りもしなかったら、何もできません。

まずは、超無意識で当たり前となってしまっている思い込みを知ること、受け入れるところから始まります。

もし、何か今つまずいていることがあるとか、いつも同じパターンで壁にぶつかるということがあるならば、ぜひコーチングをお試しくださいね。


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