
こんにちは、ライフコーチのSayaです。
前回に引き続き、NHKのドラマネタです。
現在、NHKの夜ドラ枠で、「バニラな毎日」という、小説が原作のドラマを放送しています。
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ドラマのあらすじは、次のとおりです。
白井葵(蓮佛美沙子)は、パティシエとしての修業を積み、大阪で、夢だったこだわりの洋菓子店を開いた。しかし、経営はうまくいかず、店を閉じることに・・・。
そこへ現れたのは、クセの強い料理研究家、佐渡谷真奈美(永作博美)。閉店した白井の店の厨房で、“たった一人のためのお菓子教室”を開くという。渋々、協力する白井。
不思議なお菓子教室にやってくる生徒は、それぞれに心に痛みを抱えた人たちだった。お菓子をつくり、味わう時間が、孤独な心を優しく包み込んでいく・・・。
ドラマ「バニラな毎日」公式HPより
先日放送された第19回を見ていて、「まるでコーチングだな」「うまく描かれているな」と感じたので、ご紹介します。(ネタバレあります。)
信頼関係が大事な記憶を呼び起こす
第19回では、主人公の白井と母親との関係、白井が子どもの頃から抱えている思いが語られます。
それまでは生徒相手にお菓子教室を開き、お菓子をつくりながら、それぞれの生徒が抱える痛みが明らかになっていきましたが、この回では白井自身が生徒となりました。
白井が何かを抱えていることに気がついていた佐渡谷。
佐渡谷がかける言葉がきっかけとなって、白井は子どもの頃の出来事を思い出します。
この出来事は、母親とのわだかまりができた決定打だったのではないかと思われます。
このように、何かのきっかけとなった記憶を呼び起こすことは、コーチングでも行われます。
そこで大切なのは、コーチとクライアントの信頼関係です。
心を許してリラックスしていないと、昔の記憶(しかも、あまり思い出したくない記憶)になかなかアクセスできません。
はじめはお菓子教室を開きたいという佐渡谷にしぶしぶ付き合っていた白井ですが、佐渡谷とともにお菓子づくりを教え、生徒の話を聞いているうちに、信頼関係が芽生えたのですね。
第19回の佐渡谷と白井は、信頼関係のあるコーチとクライアント、そのものでした。
引きずっている思いは、とってもシンプルで簡単な言葉で言い表される
心ここにあらずの白井を見て、佐渡谷は「自分の本当の声、聞こえてる?」と声をかけます。
そこで白井から出てきた第一声は、「こわかった」でした。
何がこわかったのかというと、白井は「母親が腹を立てて家出してしまうのがこわかった」んです。
とらわれている思い、引きずっている思いというのは、「こわい」のように、とてもシンプルで簡単な言葉で表現されます。
ちなみに、最近受けたセミナーで判明した私の思いは、「私はバカだ」でした。
自分のことをバカだと心の奥底で思っていたなんて、とっても驚きでした。(無意識だから、意識的に思うことはない。)
でも、言われてみれば、しっくりくるところもあるんですよね。
「こわい」「バカだ」のような、子どもが使うような言葉。
そういうシンプルで簡単な言葉で言い表される思いが誰にでもあって、大事なときに自分にブレーキをかける。
そのことを、ドラマでは分かりやすく描いていました。
やり残したことが与える影響
意識しているにせよ、無意識にせよ、何かやり残した問題があると、人はそれ(問題そのものというよりも、その問題にくっついているネガティブな感情)に影響を受けます。
白井の場合は、それは母親とのわだかまりです。
母親とのわだかまりが解決せず、白井が抱き続けている感情が、彼女に影響を与えています。
洋菓子店を開くも、借金を抱え、閉店してしまったこと。
ひとまず借金を返すために多くのバイトをかけもちするも、順調ではないこと。
立て直して、自分のやりたいことに向けてスイスイと進んでいくためには、白井はやり残した母親とのわだかまり問題を何らかの形で解決する必要があります。
「何らかの形」というのは、本人が納得する形で、ということです。
たとえば、母親との誤解を解いて(誤解があったのなら)わだかまりをなくすのも解決法となり得ますし、逆に仲良くならずに距離をもって接することでわだかまりをなくすのも解決法となり得ます。
解決方法は人それぞれですが、その問題にくっついていたネガティブな感情から開放されれば、解決です。
白井が今後どのように解決していくのか、そしてどのように人生を歩んでいくのか、楽しみです。
本心に気がつく
白井は、子どもの頃の出来事を思い出しながら、そのとき本当は何を望んでいたのか、20年くらいたってから本心に初めて気がつきます。
以前カウンセリングサロンに参加したとき、子どもの頃の母親との関係を振り返る様子を見たことがあります。
そのとき、カウンセラーは「(子どもの頃のある特定の場面を思い出しながら)本当はどうしたい?お母さんに何て言いたい?」という質問をクライアントにしていました。
子どもは、母親の様子を観察して、母親に嫌われないように顔色をうかがいながら行動することがありますよね。
そうこうしているうちに、我慢したり、感情を押し殺すのが当たり前になっていきます。
本当は自分はどうしたいのか、わからなくなってしまいます。
どんなに過去のことであっても、そのとき自分は本当はどうしたかったのか、そのとき何を感じたのか、それに気がつき、声に出すことは、とても重要な意味をもちます。
白井の場合は、子どもの頃につくったホットケーキを、母親に食べてもらいたかった。
当時は母親にそれを言い出せず、とても悲しかった、寂しかったんじゃないかと思います。
大人になって、子どもの頃の本心がわかる。
子どもの頃の自分に、大人の自分が寄り添う。
それだけで、何だかホッとしてちょっとスッキリした気持ちになれる。
それは、きっと現在の本心の糸口となるから。
その様子を、蓮佛美沙子さんが見事に演じていらっしゃると感じました。
メンターがかけてくれる言葉
白井が子どもの頃の出来事を思い出しているとき、子ども時代の白井の前に佐渡谷が現れてほめてくれる、という描写がありました。
最近受けたセミナーで、「あなたのメンター(人、架空のキャラクター、好きな場所、もの、なんでもOK)は、あなたに何て声をかけてくれるか」を想像する実習をしました。
ドラマで描かれていたのは、まさにこの実習でやったことでした。
いつの間にか、白井にとって佐渡谷はメンターになっていたのですね。
白井の場合は無意識に脳内に佐渡谷が現れましたが、意識的に想像することもとても力になります。
ネガティブな思いにとらわれて辛いとき、自分のメンターは何と声をかけてくれるか、ぜひとも想像したいですね。
まとめ
今回は、NHKの夜ドラ「バニラな毎日」第19回から、コーチングに通ずる部分をお伝えしました。
第19回を見たとき、すごいなぁ、こういう風に描くのね、とちょっと感動しました。

脚本とか演出とか、ドラマを作る人ってすごいなぁ
最近セミナーで学んだことがたくさん盛り込まれていたので、なおさらです。
ドラマはだいぶもう終盤と思われますが、気になる方は、原作の小説もあります。
もしかしたらドラマと原作はちがうところもあるかもしれませんが、大筋は変わらないと思うので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。


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