こんにちは、ライフコーチのSayaです。
前回からお伝えしている、NHKの夜ドラ「作りたい女と食べたい女」。
前回は、ドラマの大きなテーマであるジェンダー、女性についての「こうあるべきだ・こういうものだ」を取り上げました。
後編となる今回は、春日さんの家族関係から見る「家族はこうあるべきだ」や、野本さんと春日さんの隣人である南雲さんの会食恐怖症から見る「できて当たり前」についてお伝えします。
家族との関係
春日さんは、家族との間に問題を抱えています。
「家族とはこういうものだ」と押し付けてくる父親
春日さんは、小さい頃から弟の方が食事の量が多かったり、弟は遊んでいるのに自分は食事の片付けをしなくてはならないなど、弟と自分の間に差を感じていました。
あまりにもお腹が空きすぎて、夜中にこっそりトーストを食べることもありました。
そして大人になった今でも、実家に帰って母親のことを手伝うよう、父親から言われています。(春日さんの母親は、春日さんの父親の母親(春日さんにとっては父方の祖母)の介護をしている。)
春日さんは帰りたくないと伝えますが、父親は聞く耳をもちません。
父親は、自分の中にある家族の理想像、「こういうものだ」という価値観を、娘に押し付けてきます。
父親の「家族とはこういうものだ」には、「家族なんだから支え合うべきだ」という考え方のほか、「女性は家事をして家庭を守り、男性は働きに出る」というジェンダーも大いに関わってますね。
春日さんは耐えられず、父親にもう電話してこないよう伝え、電話に出ないようにしたら、今度は郵便が届くようになります。
父親には住所は教えていなかったのに、おばが勝手に教えてしまったようです。
おばに聞いてみると、「家族なんだからちゃんと話し合って」というようなことを言われます。
おばにも、「家族なんだから分かり合えるはず」「家族なんだから仲良くすべき」という考え方があります。
そして春日さんは引っ越すことを決意します。
伝えても伝わらないこともある
前編では、価値観のズレをすり合わせるために「伝える」のが一つの選択肢であると書きました。
けれど、残念ながら伝えても伝わらないこともありますよね。
春日さんの父親のように、まったく聞く耳をもたない人もいます。
春日さんのおばも、春日さんの言葉をさえぎり、ちゃんと聞こうとしませんでした。
伝えても伝わらないときにどうするか。
たとえば、合わない人との付き合いは最低限にとどめて、距離をおく。
赤の他人だったらできることでも、家族となるとそう簡単に割り切れないこともあります。
家族なのに、冷たいんじゃないか、薄情なんじゃないかと考えたりします。
でも、血のつながりがあるからといって、同じ考え方や価値観であるとは限りません。
家族でも、ちがう人間です。
生まれ育った家庭が必ずしも居心地がいい場所であるとは限らないんです。
萎縮せずにのびのびと楽しく過ごせて、自分のことを好きでいられる。
そういう時間を過ごしたいですよね。
春日さんにとって、それは野本さんとの時間。
その時間を守るために、春日さんは引っ越そうと考えます。
できて当たり前のこと
野本さんと春日さんは同じマンションに住んでいるのですが、そのマンションに南雲さんという女性が引っ越してきます。
南雲さんは、会食恐怖症で、人と食事をすることができません。
少しずつ変わっていく南雲さん
ランチやお茶、飲み会など、友人や同僚と食事をする機会はとても多いですよね。
南雲さんはそれができないため、人付き合いに苦手意識があり、仕事もやめてしまいました。
引っ越したことで春日さんと野本さんと知り合いになり、食事に誘われたことをきっかけに、少しずつ変わっていきます。
最初はよそよそしく誘いを断っていた南雲さんでしたが、人と食事ができないことを春日さんに打ち明けます。
そしてその後、飲み物だけで春日さんと野本さんの食事に参加するようになります。(食事はできないけど飲み物なら人前で飲める。)
野本さんがSNSで知り合った矢子さんを含め、4人での食事会にも飲み物だけで参加します。
とても楽しい時間を過ごせた南雲さん。
食事を食べないことについて深く詮索してこない3人との時間をとても心地よく感じ、食事をとおしたコミュニケーションの魅力や、「自分は人との食事ができないだけで、嫌いなわけじゃない」ということに気がつき、病院に行くことを決意します。
「知る」「向き合う」「受け入れる」ということ
南雲さんは、春日さんたちとの食事をとおして、自分の本当の気持ちや望みを知りました。
そして、なんで自分は人と一緒に食事ができないのか、どうしたら治るのか、自分と向き合うことを決めました。
それができたのは、春日さん、野本さん、矢子さんが南雲さんを受け入れ、変に気を遣うこともなく、あたかも一緒に食事をしているかのようにいつも通り振る舞ったからです。
春日さんにとって、野本さんはたくさん食べる自分を喜んで受け入れてくれた人、家族と距離をとることも受け入れてくれた人。
野本さんにとって、矢子さんや同僚の佐山さんはレズビアンであることをすんなりと受け入れてくれた人です。
自分のコンプレックスや悩んでいることを誰かに受け入れてもらえると、とても心が安らぐし、勇気が出てくるものですよね。
そんな温かい雰囲気が、このドラマにはあります。
自分にとって当たり前のこと、あるいは、多くの人にとって当たり前のことでも、それができない人もいる。
そのことをスッと受け入れるのって、意外と難しいと思います。
ドラマを見ていて、苦い思い出がよみがえりました。
私は食べ物の好き嫌いがほとんどありません。
友人に好き嫌いがある人がいて、その人とは仲がいいこともあって、好き嫌いについて色々と聞いたことがあります。
しかも人前で。
そのとき、「もういいじゃないですか」と言われ、ハッとしました。
「ああ、このこと話したくなかったんだな」と。
私がいろいろと聞いてしまったのは、自分とちがうことをフラットに受け入れず、「私は好き嫌いないのに、なんで好き嫌いがあるの?」という疑問を抱いたからです。
その疑問は悪いものだとは思いませんが、「そっかそっか、嫌いなんだね~。そういう人もいるよね」と当たり前に受け入れることも大事なんだと、ドラマを見ていて思いました。
聞いてもいいとは思うけど、聞いてもいいか確認するとか、2人っきりのときにするとか、配慮が必要だね
南雲さんは、人と食事をするという当たり前のことができない自分のことをダメな人間だと思っていて、自分のことは受け入れられていませんでした。
それを聞いた矢子さんが南雲さんにかける言葉は、このドラマの言いたいことの全てなんじゃないかと思います。
でもさ、人とご飯が食べられないからダメな人間ってことはないよね。
本当は食べるのも食べないのも好きにできたら一番いいのに。
無理せず自分のペースでいられたらいいよね。もちろん、南雲さんの治したい気持ちは全力で応援するんだけど。
NHK 夜ドラ「作りたい女と食べたい女」第24回
きっと、自分のことを受け入れてくれる人たちが身近にいる南雲さんは、人と食事ができない自分を受け入れられるようになるんじゃないかと思います。
まとめ
NHKの夜ドラ「作りたい女と食べたい女」から、さまざまな「こうあるべきだ」「こういうものだ」について2回にわたってお伝えしてきました。
前編はジェンダーについて、
後編は家族関係と「できて当たり前」について取り上げました。
自分の中にある固定観念や価値観に気がついた方もいるのではないでしょうか。
自分のことを知った上で、人のことも知り、排他的にならずに自分とのちがいも受け入れられる人間でありたいですね。
もし人とのちがいなどについてお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にコーチングをお試しくださいね。
前編はこちらから。
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